ストレージ空き容量
OSはWindows 10 Home 64bitがインストールされていました。256GB SSDは1パーティションで構成されています。プリインストールされているアプリケーションは少ないため、OS使用領域は少なく34.8GB、空き容量は202GBとなっていました。
デバイスマネージャー
8コア16レッドのAMD Ryzen 7 PRO 4750GEプロセッサーを搭載しているため、16個のアイコンがずらりと並んでいます。
別ソフトウェアで確認したところ、有線ネットワークはRealtek RTL8168/8111 PCI-E Gigabit Ehternet NIC、サウンドはRealtek ALC220という表記を見つけました。。
システム情報
CPU-Z v1.95.0 x64でスペック確認を行いました。AMD Ryzen 7 PRO 4750GEはAMD Ryzen 7 PRO 4750Gと誤認識されていますので、一部、修正・補足しています。
AMD Ryzen 7 PRO 4750GEは通常版のRyzen 7 PRO 4750Gとほぼ同じスペックを持つものの、TDPの上限が低く設定された省電力モデルのプロセッサーです。動作クロック上限が下げられ、消費電力と発熱量が抑えられていて、Tinyなど省スペースモデル向きのプロセッサーとなっています。
また、グラフィックス機能を内蔵しており、ライトなゲームなら対応できます。性能はNVIDIA GeForce GT 1030搭載グラフィックスカードに相当します。
CPUコア数:8コア
スレッド数:16スレッド
基本クロック:3.1GHz(4750G:3.6GHz)
最大ブースト・クロック:4.3GHz(4750G:4.4GHz)
プロセス:7nm
TDP:35W(4750G:65W)
L1キャッシュ合計:512KB
L2キャッシュ合計:4MB
L3キャッシュ合計:8MB
コンパクトな本体にもかかわらず、メモリはDDR4 SO-DIMMが2枚まで搭載できます。メモリが1枚だとメモリ帯域が半減し、処理速度が下がってしまいますので、ぜひとも2枚搭載したいところです。
マザーボードはAMD PRO 500チップセット搭載LENOVO 3190。
PCI Express 3.0まで(4.0は非対応)
グラフィックスもPCI Express 3.0まで(4.0非対応)
UEFI BIOSはファーストバージョンのM3CKT21Aでした。現在はさらに新しいバージョンが公開されています。プリインストールソフトのLenovo Vantageを利用するのと簡単にアップデートを行えます。
GPU-Z v2.38.0ではCPU-Zとは違いPCI Express 3.0と正しく認識されています。
HWiNFO64 v7.00ではAMD Ryzen 7 PRO 4750GEと正しく認識されています。
SSD
CrystalDiskInfo 8.11.2実行画面。搭載SSDはUnion Memori製 UMIS RPIRJ256VME2MWD、スペックはPCIe 3.0 x4 NVMe M.2(2280) SSD 容量256GB。
CrystalDiskMark 8.0.1では、テストサイズ「1GiB」で計測しました。SSDのドライブは空ではなくOS・データがが入っている状態ですので、SSD本来の性能が発揮できていない可能性があります。
性能はPCIe 3.0 x4接続のSSDと比較すると、シーケンシャルリードは優秀ですが、他の項目は標準もしくは並といったところでしょうか。それでもNVMe SSDだけあってRPIRJ256VME2MWDはSATA SSDより高速です。
発熱は少ない方で、室温19度の環境でアイドル時で33度、負荷時で46度でした。ハイパフォーマンスのPCIe SSDはかなり発熱するので、コンパクトなTinyにはRPIRJ256VME2MWDがマッチしているかもしれません。
ベンチマーク
ThinkCentre M75q Tiny Gen2はUEFI BIOS画面でパフォーマンスと動作音に関する設定を行うことができます。使用目的に応じて、使い分けるとよいでしょう。
設定は「Windows 10 電源プラン」やプリインストールソフト「Lenovo Vantage」でも行うことができます。
今回は通常設定することが多いと思われるバランス重視の「Lenovo Default」とパフォーマンスを重視した「高パフォーマンス」設定でのベンチマークを掲載します。
PCMARK10でPCの基本性能を測りました。
各項目解説・目標値
・Essentials:日常PCを使用するシーン(Webブラウジング、ビデオ会議とアプリの起動時間)をテスト。
・Productivity:Office Suiteのようなビジネスアプリケーションの処理性能を測るテスト。
・Digital Content Creation:コンテンツ制作作業を想定したテスト。
「Lenovo Default」でも「高パフォーマンス」ともにPCMARK10提供元が推奨するスコアを大幅に超えており、快適に利用することが伺えます。
消費電力
消費電力はワットチェッカーで計測しました。
消費電力はアイドル時で7Wと非常に低いです。負荷時でもLenovo Default設定時は最高で56W、高パフォーマンス設定時でも64Wと非常に低い数値となりました。8コア16スレッド処理のプロセッサーを搭載しているとは思えないくらい低い数値です。
※パフォーマンス設定時のアイドル値は計測し忘れてしまいました。
動作音
ノイズ源は本体内に1つあるブロアータイプの冷却ファンのみ。ラベルにはAVC BAZB0817R2UP006 DC12V 1.1A HYDRAULIC BEARINGとの表記あり。
回転数最小時はアイドル時の1,355rpm、最高時は負荷のかかった時で2657rpmでした。
動作音は最小回転時でもサーという音が聞こえてきます。最高回転時はさらに音量が上がり、気になるレベルです。最小回転時の音なら、設置場所・方向を工夫すれば、動作音は気にならないレベルにまで持っていけると思いますが、最高回転時のノイズはそうはいかないでしょう。
ファン回転数のしきい値は70度に設定されているようです。プロセッサーが高負荷で温度が上がり続け、70度を超えると、ファン回転数が最高回転まで上がります。70度を超えない程度の負荷なら長時間続いても、ファン回転数は上がりません。Lenovo Default設定時なら、動作音はそれほど気になりませんが、高パフォーマンス設定時はファン回転数が上がり気味で少々音が気になります。省スペースモデルのため、ある程度の動作音は仕方がないところです。
ThinkCentre M75q Tiny Gen2 特徴
以上、ThinkCentre M75q Tiny Gen2について紹介いたしました。本体は体積「1L」と非常に小さいにもかかわらず、メンテナンスがしやすい優れた設計となっています。8コア16スレッド処理のAMD RYZENプロセッサーを搭載し、高い性能を発揮しながらも、消費電力は控えめです。縦置き、横置き、液晶モニタ一体化など、本体のコンパクトさを生かした様々な設置が可能です。同等スペックのパソコンよりもリーズナブルな価格設定になっており、5万円台から購入できます。
気になるのは、注文後納入されるまで時間がかかること。一時受注を中断するほど人気が高く、届くまでに3~4週間は待つ必要があります。カスタマイズして注文できるのは長所ですが、即納という訳ではありません。
ThinkCentre M75q Tiny Gen2はそれだけ待っても買ってしまう魅力を備えています。3年4年と長い間活躍できるパフォーマンスも備えているので、保守はぜひ延長保守をつけて、ご購入されることをお勧めします。
ThinkCentre M75q Tiny Gen2 用途別オススメ度
オフィス:★★★★★
エンコード:★★★
ライトゲーム:★★★★
ヘビーゲーム:★★★
ThinkCentre M75q Tiny Gen2 長所短所
〇 コンパクト!
〇 イージー・メンテナンス
〇 高パフォーマンスかつ省電力
〇 多彩な設置方法
〇 同等スペックパソコンよりも安い
× 人によっては気になる動作音
× 納期がかかる
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